マイホーム購入で知っておきたい「シックハウス」について
住宅購入や新築、リフォームなどをきっかけに、部屋で過ごしていると頭痛やめまい、セキが出るなどの「シックハウス症候群」での症状に悩まれた方はたくさんいらっしゃいます。1997年に現・厚生労働省はその対策としてホルムアルデヒドの室内濃度指針値を示し、1998年には健康住宅研究会による設計・施工ガイドラインが示されるなど、行政も取り組みが行われてきました。
そもそもシックハウス症候群とはどのようなものなのでしょうか。
シックハウス症候群の症状は個人差もあり多岐にわたるといわれています。また、本人にしか自覚できない症状も多く、自律神経失調症や更年期障害、風邪、精神疾患などと間違われてしまうこともあるそうです。はっきりとした症状でなかったり、次々と症状が変わっていくことも多く、調子が悪いと思っていても、それがシックハウス症候群だと気付かないことがよくあるようです。
住宅建材などに使用された化学物質が原因で吐き気やめまいなどの症状を引き起こしたシックハウス症候群ですが、2002年7月に建築基準法が改正され、シックハウス規制が盛り込まれた法案が03年7月から施行されています。このように法律でシックハウス対策が規制され、以前に比べると安心といえるでしょう。ですが、これはあくまでも最低基準となっています。住まいを選ぶ際には、ご自分たちも意識して確認するようにしたいものです。
シックハウス症候群の要因には以下のようなものがあります!!
・建材や家具などから揮発する化学物質
建材などから揮発する化学物質によって室内空気が汚染されてしまったり、じゅうたんやカーテン、家具からも化学物質は揮発しています。接着剤や難燃剤、防虫剤など様々な化学物質が用いられているようです。
・換気不足や・ダニ・カビが要因
住宅の高気密・高断熱化が進み、換気対策が遅れたために室内空気汚染の原因となってしまっています。 高湿度で結露を起こしやすい住宅では、ダニ・カビが発生しやすくなり、アレルギーなどの健康に悪影響を及ぼすようです。
・体質の変化が要因
現代ではアレルギー体質の方や化学物質に過敏な体質の方も増えてきているのは事実です。また、ストレスなどの心理的要因などによってもシックハウス症候群を引き起こすの原因ひとつではないかと考えられています。 もし、室内にいるときに強く症状が出る場合には、シックハウス症候群を疑ってみるようにしましょう。
規制改正ポイントについて
・シックハウス症候群の原因とされる有害物質の使用の制限・禁止、
・換気の設置義務
規制される有害物質は、クロルピリホスとホルムアルデヒドの2物質です。クロルピリホスはシロアリ駆除剤、ホルムアルデヒドは木質系の合板などに使われる場合が多くありました。両物質はJIS(日本工業規格)などで発生量を明示した等級別に建材の使用面積を定めるほか、等級区分に該当しない建材の使用は禁止されます。換気設備の設置義務では、汚れた空気の排気と新鮮な空気の給気ができるようになっていることが必要です。
いかがでしたか。住宅購入においては様々な点に注目し、ご自分にとってよりよい、安心できる住宅選びが必要になります。ですが、みなさんが住宅を購入しようとしたときに1番に考えてしまうのは、購入価格となるでしょう。幅広い視野で、長くその住まいで暮らしていくからこそ、ゆっくりと専門家にきちんと相談しながら購入の検討してみてください。そうすることが、安心できる住宅選びの一歩になるのではないでしょうか。